わかりやすいアジャイル開発の教科書

本が手元に届いてからなかなか読み進めることが出来なかったけど、やっと読み終えることが出来た。

日本人による日本人の為の本

読んでいて一番最初に思ったことは、「日本人が書いているんだな」ということだった。
最近翻訳された本ばかり読んでいたからかもしれないけども、やっぱり日本人が書いている日本語は読み易いなと思う。
翻訳された本も、翻訳者の方々がとても頑張っているのはよく分かるんだけど、ノリというか雰囲気というか、そういうのがやっぱり違うんだよね。
まあ、そこが良い味になってたりもするんだけど。
あまりに読みやすくて、ちょっと刺激やインパクトが足りないぐらい。
まあ、刺激なんて要らないかもだけど。

「わかりやすい」ということは「浅い」とトレードオフのことが多い

確かにタイトル通りわかりやすかった。
分かり安過ぎて、なにか物足りないというか・・・。
これはもう何冊かアジャイル開発の本を読んでいるからかもしれないけどもね。
あと、アジャイルに関連する非常に広範囲の内容をカバーしようとしているからか、余計に一つ一つが浅くなってしまっているので、既にアジャイル開発の本をいくつか読んでいる人には物足りない内容だろうと思う。

作者の経験に基づいた、現実的なアジャイル開発の説明

これも良くも悪くもってところだと思う。
まずは「アジャイル開発とはどういったものなのか?」という原理原則を知りたい人にとって、細かい部分の現実解は不要だったりすると思う。
例えば、「最初に最後まで細かく計画をたてる(タスクまで落としこむ)」みたいな文脈があったけど、僕は直近のイテレーションだけでいい気がするし、スケジュールの最後の方のストーリーポイントについては、タスクまで落とし込まずストーリーポイントの微調整(見直し)だけで良い気がする。
日本の実際の現場で「そんなあやふやなスケジュールは組めない」ってことの示唆かもしれないが・・・。
まあ、この辺の「どこまで明確な基準を示すか」というのは、難しいところだね。
具体的な指標が無いと抽象的になり過ぎて分かりづらくなってしまうし。

細かいところが実体験に基づいた日本での環境に即した内容になっていると思う。
それはそれで貴重だと思う。

ワクワクしない

これは否定的な意見ではなく、ある意味「教科書」なんだと思う。
だって、昔から「教科書」ってワクワクしないものでしょ?
アジャイルって現実にやってみると、なかなかワクワクするどころか大変に感じる面のほうが多いと思うんで。

まとめ

ワクワクしたいなら「

」の方がワクワク出来るし、実際の雰囲気を知りたいなら「 」の方がマンガだし分かりやすいと思う。
アジャイル開発の肝である計画についていえば「 」の方が適切だ。
他の本と違ってこの本ならではってのは、アジャイルの非常に大切な「ふりかえり」というプラクティスには「ファシリテーション技術が非常に重要だ」ということを明確にしているところかな。
これ書いてない本が多いので、どうしたもんかなーって思ってたんで。
」は、期待していたけどプラィティスの紹介にボリュームが割かれており、ファシリテーションの技術に関してはあまり書かれてないし。
あと、個人的にはこの本で紹介されているワークショップ系のプラクティスは、とても素晴らしいと思うので是非真似したいなと思った。

日本人による日本人のためのアジャイル開発の入門書というチャレンジは素晴らしいと思うけど、もうちょっと突っ込んでエッジの効いた内容でも良かったかなと思う。
まあ、教科書っていうところを重視するなら、アレだけど。

なので、既に上記に挙げたような本を読んでいる人にとっては、あまり得られることは無い気がする。
対象になるのは、それらの本を読んだことのない人で、日本人が書いた読みやすい本を探している人かな。
あとは、実際にプロジェクトに導入しようとしている人には、参考になるプラクティスがいくつか例示されているので、そんな人にもオススメな気がする。

実際僕も試してみたいワークショップがいくつかあったので、実際に試してみたいなと思う。