熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

今まで、トム・デマルコさんの書籍はいくつか読んでいたので、今回も読み易くてサクッと読み終えることが出来るんだろうと思っていたら、全然違ったのでびっくり。
前半はさくさく読めたんだけど、後半は結構こってりしている感じだった。
まあ、こってりの中にもクスっとさせる部分があったりして、相変わらず最後まで楽しく読むことが出来た。

リスク管理

知り合いのプロジェクトマネジメント経験者に

「プロジェクトを管理する上で、何が一番大切?」

と聞いたところ、

「リスク管理かな」

という答えが帰ってきたことがあった。
その時は「ふーん」と聞き流してしまったんだが、その言葉がずーっと心の中で引っかかっていて、この本を読むきっかけになった。
そして、この本を読み終わった今、知り合いのプロジェクトマネジメント経験者が言ってたことは、あながち間違っていないと感じる。
ソフトウェアのプロジェクトを管理するということは、リスクを管理するというのと、殆ど同義なのかもしれない。

リスクと価値

発注者に対して、

「プロジェクトの成功によって得られる価値を数値化させる(べき)」

という話が出てくるけど、この発想は無かった。
自分も何かに投資する場合、その投資によって得られる価値を調べて、コストと価値を天秤にかけて、投資するべきかどうかを判断する。
そんなこと当たり前の話だ。
けど、これがソフトウェアのプロジェクトになると、全く行われなくなる。
不思議だ、とても不思議。

色んな事のヒントは、身近に転がっているものだな。

信念の倫理

この本で紹介されている「信念の倫理」の話は非常に分かり易く興味深かった。

「あなたに信じる権利があるか」

この問いは重かった・・・。
そして、

「信じる時間はないはずだ」

という結論。
銀の弾丸などないんだよ!と、改めて思い知らされた気がした。
自分はこの話を読んで、

  • 思考停止の恐ろしさ
  • 考え続けることの大切さ

を再認識した。
この話を読むだけでも、この本を読む価値はある気がする。

インクリメンタル手法

この本で紹介されている手法の1つ。 アジャイルな開発手法の思想にとても似ている。
やっぱり、「小さく分割して、小さく回す」なんだなー。
結局、このやり方が1つの解なのかなと思う。

まとめ

プロジェクト管理の本を初めて読んだけど、最初に読む本として結構適切だった気がする。
特にエンジニアの場合は、これぐらいから始めてもらえると丁度よい気がする。
そして、変に手法やプラクティスの紹介ではなく、結構本質的な部分の説明が多かったのも良かった。
説明の仕方もユーモアがあって、たまにクスって笑えたしね。
自分なりに「リスク管理」というものについて、イメージが出来たのは良かった。
読み返すことにあまりストレスを感じない気がするので、いつか読み返したいな。