はじめに

たまたま自分が精神的に参っていた時に、アドラー心理学の存在を知った。
精神的に参ってしまった原因が、何なのか自分でもわからなかったが、何か状況を理解するヒントになるのではないかと思いこの本を手にとった。

人は怒りを捏造する

われわれはみな、なにかしらの「目的」に沿って生きている

「怒り」という感情さえも、目的が先にあり手段として感情を捏造しているということらしい。
となると、感情はコントロールできるものということになる。
なんだか不思議な感じがするが、思い当たるフシがある。

何が真実なのか、正しいのかと考える時に、結局自分の目的に合ったものを選んでいるだけな気がしている。
本当に目的に合ったものを純粋に選んでいるのならば良いのだけど、大概自分の都合に良いものを選んでいることが多い気がする。
真実や正しさとはなんなのか、最近良くわからない。

あなたの「不幸」はあなた自身が選んだもの

これにはドキッとさせられた。
特に子供の頃の自分は、こういうところが合ったと自覚している。
そして、「不幸」だったり「悲劇のヒロイン」だったりすることのなんと気持ちの良いことか。
大人になってからも、どうなんだろうか。
ちょっと自信がない。

人は常に「変わらない」という決心をしている

これは本当にそう思った。
これは、自分もそうだし、自分の周りの人たちをみてもそう感じる。 「変わりたい」と決心している人は稀有だ。

自分は、常に「変わることは素晴らしい」と考え、変わろうと努めてはいる。
が、ちゃんと取捨選択して、自分の都合の良い「変化」だけを取り入れているのが実態なんじゃないだろうか。
自分の甘さと自分を守ることのさじ加減が、良くわからなくなっている。
ただ一つ言えることは、自分を守ること、自分の声を聴くことを放棄してしまうと、自分は傷つけることになる。

全ての悩みは「対人関係」の悩みである

つまるところそうなのかもしれないが、なかなかスッとは受け入れられない。
純粋なる「内面の悩み」というものは存在せず、何かしら「他者」の影があるということらしい。
確かに世界に最初から自分しかいなければ、今自分が抱えている悩みは一つもなくなるかもしれない。
ただし、今から世界で一人になるのは不可能だし、正直どうなるのか良くわからない。

言い訳としての劣等コンプレックス

完全に思い当たるフシがある。
学歴もそうだし、身体的な劣等感もあるし、よくよく考えると劣等感だらけなのかもしれない。
劣等感自体は悪いことではないのだと思う。
前に進むための原動力になるはずだから。

言い訳にしているつもりはないけども、言い訳がましく劣等感を口にすることは少なくないと思う。
劣等感と仲良くなりたい。

人生は他者との競争ではない

人は競争を求める習性があるんだろうとおもわざる得ない。

仕事の場合は、競争させられることは多々あるし、競争をさせることを良しとする考え方もある。
結構競争が前提の世界。
そもそも資本主義っていうのは、そういうものを強いるシステムだと思うし。

ただ、自然と他人と比較し、いつのまにか競争しようとしている自分がいる。
上を見ては勝手に落ち込み、下を見ては少し安心する自分。

他人から、どちらが正しいのかという権力争いをふっかけられることもある。 なんだか日常に競争が溢れている。
そんな中で心を平和にして過ごすことはできるのだろうか。

人生のタスク

人生のタスクとは、以下の3つに分けられる。

  1. 仕事のタスク
  2. 交友のタスク
  3. 愛のタスク

上記タスクと向き合うことで以下の目標が達成される

行動面の目標

  1. 自立すること
  2. 社会と調和して暮らせること

心理面の目情

  1. わたしには能力がある、という意識
  2. 人々はわたしの仲間である、という意識

人生のタスクや目標から逃げてはいけないということなのだけども、正直常に追いかけるのは現実的とは思えない。
日々問われることになるのだろうけど、やり続けられるかどうかということが不安だ。
アドラーに言わせると「勇気の問題」ということらしいが、実際その通りだと思う。

承認欲求を否定する

面白い視点だった。
承認欲求を上手に利用しようという話は聞いたことあるけども、否定する意見は初めて聞いた。
確かに他人からの承認は蜜の味だ。

アドラー心理学では、他者からの承認を求めることを否定する。
他人からの期待に応えていても、自分は幸せになれないし、結果的に自分の人生を歩めないということらしいが、言われてみるとそうかもしれないと思った。

自分はある程度承認欲求が満たされている人間だと思っていた。
けど、やはり常に大なり小なり求めているところはある。
まずは少しずつ減らしていったほうが良い気がする。

承認欲求がなくなった自分を全く想像することができないのだけど。

他者の課題を切り捨てよ

有名な「課題の分離」についてなのだけど、いろんな言葉で似たようなことは聞いたことがあると思う。
他人を変えることはできないとか、自責と他責とか。

他者の期待というもの他者の課題という整理になる。
なので、基本的には他者の期待は無視で良いということになる。

けど、これをあらゆる場面で適用すると失敗するような気がしていて、使いどころを間違えると大変なことになるんじゃないかなと感じている。
自分が楽になる時に都合よく使くと全く意味がないので、気をつけて使わないといけないと思った。

対人関係の悩みを一気に解決する方法

自分の信じる道の最善を選ぶこと

自分を信じる。
信じて、できるだけ信じ切る。
そして自分を愛する。
勇気を持って前に進む。

難しいことなんだけど、なんだか救いもあるように思う。

ほんとうの自由とは何か

自由とは、他者から嫌われることである

本のタイトルが出てきた。

面白かったのが、自由に生きている人は、他人が自由に生きているのを見ても嫉妬しないらしい。
確かにそうなんだろう。
誰がの生き方を見て、「自由でいいな」と思った時点で、自分は不自由を強いられているし、アドラーの言葉を借りれば、不自由な人生を自分で決めているということなんだろう。
なんと残酷な現実。

んー、不自由な人生を自分で選んでいるといわれると複雑な気持ちになる。
そして言い返せない。

対人関係のゴールは「共同体感覚」

他者を味方だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを、共同体感覚という

他者を味方だと感じるのが難しい。
そして、ストレスなく仲良くできる人もいれば、苦手な人もいるわけで。

なんとなくリベラル臭がするんだけど、気のせいだろうか。

叱ってはいけない、褒めてもいけない

これも難しい。
語彙力もそもそもないし。
感謝はOKと言われても、そういう場面ばかりでもないし、それだけで対人関係がうまくいくというイメージも沸かない。

縦の関係ではなく、横の関係が達成されれば、ある程度できるようになるのではないか。

ここに存在しているだけで、価値がある

いわゆる存在承認ってものだと思う。
挨拶も存在承認の一つだと、教わったことがあるけど、この本で紹介されていたものは、「その人のことを知ろうとすること自体が、存在承認につながると紹介されていてなるほどなと思った。
聞き上手というのは、存在承認してくれる人になりうるのかもしれない。

人は「わたし」を使い分けられない

それほど器用にできていないとのこと。
誰に対しても同じように接すること、それが大事というか、それが一番コストがかからないのかもしれない。
これは結構意識しているところではある。

自己肯定ではなく、自己受容

ことさらポジティブになって、自分を肯定する必要はありません

ちょっとホッとする。
ポジティブでいることって、結構コストがかかると感じていたので。

自己受容とは、肯定的な諦めと言い換えることもできるらしい。
現状を受け入れて、前に進むことが大事ということだ。
単純に勇気がいることだと思う。

次に「他者信頼」が大事らしい。
信頼とは、「無条件にその人を信じること」らしいのだけど、正直なかなか難しい。
どんな人も信頼しましょうということではなく、「良き関係を築きたい」と自分が願う人に対してはということらしい。
特に難しいと感じるのは、長い付き合いの相手に対してだ。
ある程度自分の中で、その人のイメージができている中で、常に信頼し続けるというのは、かなりの難易度だと感じる。

そして「他者貢献」。

他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるもの

自分が誰かの役に立っていると実感することが大事ということだ。

つまり自分の感覚が大事。
他者からの評価ではなく、自分がどう感じるのかというのが、とても重要ということなのだけども、なかなか難しい。

おわりに

印象に残っていることをつらつら書いてみた。
内容はとても面白かったし、久しぶりに睡眠時間を削って読みたくなる本だった。

アドラーは勇気の心理学と言われているらしい。
勇気が大事だ、勇気を持って一歩踏み出そう、みたいな話はとても耳が痛い。
自分に勇気が足りていないというのも、とても自覚しているので、逃げられないように、そういった環境に身をおいて、ことにあたっていくという自分のスタイルの限界を感じた。
どうやったら勇気を持ち得るのか。
これが本当に難しい。

タイトルの通り、嫌われれば良いという話ではまったくなく、銀の弾丸はどこにもなさそうだ。
そもそも書かれている内容も、簡単そうでなかなかすんなり実践できるようなものでもない。

しかし、内容は面白かったし、興味も引き続き続いているので、続編も読んでみたいと思う。
もう少し深堀して、自分と真摯に向きあっていきたい。